鼠径ヘルニアの水瘤

 「鼠径ヘルニア」の診断の際に、鑑別が必要な症状があります。
それは、「水瘤(すいりゅう)」という疾患です。

水瘤は、主にこどもの鼠径ヘルニアに多くみられますが、成人でもなる場合があります。

ヘルニアをつつむ「ヘルニア嚢(のう)」だけが脱出して、ヘルニア内容は伴わず、淡い黄色の液体がたまる病気です。
かんとん(脱出したヘルニアが元に戻らなくなる症状)状態のように、押しても元に戻りませんが、痛みを伴わないので、かんとんとの区別は比較的容易につきます。

水瘤には、2つの種類があります。

1)ヘルニア孔に腸が飛び出すほどの広さがなく、ヘルニア嚢の脱出のみとなっている。
2)お腹とはつながっておらず、ヘルニア嚢が単独で存在している。
1)の場合は、手術でしか治りません。
基本的には、鼠径ヘルニアの手術と同じですが、ヘルニア内容が出ていないので、鼠径ヘルニアの手術よりは簡単です。
放置していても命に関わる重篤な状態にはなりませんが、押しても戻らないですし、ずっと出っ張ったままで大きくなってくるとわずらわしくなると思います。

2)の場合は、お腹とつながっていないので、膨らんだ場所はそれ以上大きくなる事はないでしょう。
気になるほど膨らんでいなければ、放置していても問題ありません。

昔はほとんど、膨らんだヘルニア嚢に針をさして、中に溜まっている液体を抜く手術が行われましたが、今はあまり行われていません。

 

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